このところ各地で農業と福祉を結び付ける「農福連携」による試みが行われています。農作業は過酷な環境での作業が多いため、福祉と結び付けることが難しいと考えられてきました。しかし、環境に合わせた作業形態に配慮すれば、障碍者事業所や介護事業所の利用者にとって、これまでとは違った支援の提供が可能です。
福祉農園でも、障碍者が定期的に農作業講習を受けて、将来就労できる技術を身に着けることを目的に、地元の障碍者就労支援事業所(NPO法人ぶどうの木)と連携して運営しています。150㎡程の広さの農園で、毎週水曜と金曜の午前中を作業日として、シニア農園と同様に地元の若手農家が栽培指導に当たっています。
この活動によって、事業所利用の障碍者が農作業経験を蓄積し、市内・近隣農家へのスポット就労、定期就労ができる仕組みと関係性を生み出すことが可能になります。今後は、地元のJA東京むさしや地域包括支援センター、福祉事業所など関係事業所向けの見学会や意見交換会を実施して、福祉農園を起点にした農福連携の地域拡大を図っていきたいと思います。